<オーストラリア木性シダDicksonia Antarvticaについて
オーストラリア木性シダ:Dicksonia antarcticaについて

Dicksonia antarcticaとは?
オーストラリアの山林やユーカリ林の中には巨大な木性シダをよく見かけます。一見、観葉植物のヘゴや草ソテツに似ていますが、常緑でとても綺麗な葉をしており、耐寒性もあります。このシダはオーストラリアでは住宅街の庭や玄関先などでもよく見かけ、ガーデニング素材としても人気があります。イギリスではシダは知的階級に人気があるとか(ロンドンのスモッグ時代に都会に住むインテリ層が、弱い光で育つ植物を求めたらしい)・・・。ナーサリーでは根と葉を落とした株の状態で売られており手軽に手に入ります。きっと、日本でも近い将来、ガーデニング素材として人気が出ること間違いなしです。
どうやって入手したか?
ところが、国内では、色々探し求めて見たのですが、筑波実験植物園等一部の植物園にはあるものの、まず入手困難でした。オーストラリアやイギリスの業者でシダの株を通信販売しているところが有りましたが、海外は断られました。価格も結構していました。そこで、The Society for Growing Australian Plantsに問い合わせたところ、業者を紹介してくれました。当時、業者はホームページを持っていなかったので、まずカタログを注文し、
e-mailとFAXでやりとりし、何とか胞子を輸入することが出来ました。1997年4月です。
胞子の発芽方法は?(写真の記録が無くて残念ですが・・・)
さあ、胞子を入手する事が出来たのですが、どうすれば良いやら見当もつきません。そこで、インターネットで発芽について調べたところ、いくつかのサイトが海外にありました。ピートモスをベースにした種まき用の土を殺菌して、ガラス板で密閉し、湿度を保つため毎日、蒸留水を霧吹きでかけ・・・・。20度くらいの温度で日陰に置く。(1997年5月)
指示通りに実践しました。・・・しかし、残念ながら、この方法は失敗に終わりました。発芽さえしませんでした。
実は、物は試し・・と、同時に少量づつ庭に直播きしたり、ヨーグルトの空いたプラスティックケースに種まき用土を入れてまいたり、発砲スチロールの箱に、穴をあけ鹿沼土を入れその上に種まき用の土を入れ、熱湯で殺菌して胞子を蒔いて、サランラップで密閉したしました。実はこの最後の方法が成功しました。約3週間後に表面に苔が生え始めたように、グリーンになってゆき、やがてスギゴケのように一面が覆われました。このころは毎日乾かさないように霧吹きです。
次のステップ
さらに2ヶ月くらいして、苔が密集した状態になったら、移植です。1997年8月です。
移植は苔状の苗を5ミリ四方に切り、ピンセットで新しい発砲スチロールの箱に市販の培養土を敷き表面に1センチほど、やはり種まき用の土を敷き、そこに植えていきました。移植のあともサランラップと霧吹きは欠かせません。なかなかマニアックで病的な世界です。やがて、かわいらしい葉が所々から1センチほど出てきました。この段階で冬を迎えました。冬は明るい室内の窓辺に置きました。
1998年春になり、約50本ほどを鉢植えや、地植えにしました。
その後約2年間で、夏の乾燥や直射日光が原因で随分枯らしてしまいましたが、心配した冬の寒さも乗り越え、木陰の地植えのものが雪にもめげず元気に育っています。
2001年1月現在
2001年1月現在、大きい物で葉の長さが30センチ程度です。優雅な巨大シダになるまで何年かかるか分かりませんが、いつしか我が家もジェラシック・パークのような庭になるかも知れません。
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